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所有という神話 : 市場経済の倫理学

大庭健著

岩波書店, 2004.7

Other Title

所有という神話

Title Transcription

ショユウ トイウ シンワ : シジョウ ケイザイ ノ リンリガク

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Description and Table of Contents

Description

利潤という獲物を追って、負け組になるまいと日夜走りつづける。私たちは、そこで何を犠牲にしているのだろうか。市場経済という一つの社会システムによって、環境システムは破壊され、心的システムは目に見えないままに腐食される。もろもろのシステムは、互いに汚染し合って危機は加速度的に深まってゆく。企業倫理の無残な崩壊も、さまざまな事件の背後にある自閉化も、その現れではないか。市場システムを倫理的に問うための、条件と根拠はどこにあるのだろうか。市場メカニズムを、自己組織システムの理論を援用しつつ解明し、経済行為を駆動している「所有」という観念の由来をたずねる。システムの孤立した一要素としての経済人モデルに替わって、他者たちと私との存在の相互承認に基づく平等と、そこに基礎を置く「人‐間」的関係のヴィジョンを模索する。効率性における優位は疑うべくもなく、他に選択肢はないかに見える市場システムの人間的・倫理的含意を考察する、「人‐間の倫理学」に向けて。

Table of Contents

  • 余剰と利潤、自己愛と共感
  • 第1部 市場について(経済システムにおける市場/経済主体にとっての市場—市場経済の倫理学的アセスメントのために;共生の強制、もしくは寛容と市場)
  • 第2部 所有について(所有という問い—私のものは私の勝手?;所有というナウい神話—間柄の私有化の思想史)
  • 第3部 平等について(人はみな平等である、とはどういうことか;機会の平等・結果の平等;人‐間的“関係”の関係—存在承認の平等)
  • 平等の正当化

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Details

  • NCID
    BA68034766
  • ISBN
    • 4000233963
  • Country Code
    ja
  • Title Language Code
    jpn
  • Text Language Code
    jpn
  • Place of Publication
    東京
  • Pages/Volumes
    xvi, 286, 3p
  • Size
    20cm
  • Classification
  • Subject Headings
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